三越伊勢丹、好決算でも不安な地方店の行方2019年9月に閉鎖される伊勢丹府中店

三越伊勢丹、好決算でも不安な地方店の行方2019年9月に閉鎖される伊勢丹府中店。1996年の開業初年度に売り上げがピークに達したが、それ以降は右肩下がりだった(撮影:尾形文繁)
百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングスは11月7日、今2019年3月期上期(2018年4月~9月)の業績を発表した。売上高は5639億円(前年同期比4.3%減)、営業利益は108億円(同41.5%増)と、大幅増益だった。赤字のアパレル子会社を今年3月に事業終了するなど複数のリストラ策を断行したことが、利益を押し上げた。長年赤字が続く広島三越は上期の営業損失が2.6億円、同じく不採算の松山三越も同3.5億円と、前年同期よりも赤字が拡大している。
立て直しが急務だが、杉江社長は「松山や広島はポテンシャルがあるので、閉めずに再投資して再建する」と話す。松山三越ではイートインやレストランなどのテナント誘致も視野に入れているようだ。「(テナントに店舗を賃借して賃料を得るビジネスモデルの)定借化はこれまであまり手掛けてこなかったが、これからは定借化も検討していきたい」(同)という。
また、北海道札幌市には丸井今井札幌本店と札幌三越、福岡県福岡市には福岡三越と岩田屋本店といった「2つののれん」が並存している。これらの今後の対応について、杉江社長は「街の特性などを踏まえ、どうしていくかをこれから考えていく。それぞれの店に愛着のある顧客が多いので、のれんを廃止することはない」と語る。
前言撤回したケースも
「大規模店の閉鎖はいったん終了」と何度も強調する杉江社長だが、これを言葉通り受け止める関係者は多くない。長年赤字が続く広島三越は上期の営業損失が2.6億円、同じく不採算の松山三越も同3.5億円と、前年同期よりも赤字が拡大している。
立て直しが急務だが、杉江社長は「松山や広島はポテンシャルがあるので、閉めずに再投資して再建する」と話す。松山三越ではイートインやレストランなどのテナント誘致も視野に入れているようだ。「(テナントに店舗を賃借して賃料を得るビジネスモデルの)定借化はこれまであまり手掛けてこなかったが、これからは定借化も検討していきたい」(同)という。
また、北海道札幌市には丸井今井札幌本店と札幌三越、福岡県福岡市には福岡三越と岩田屋本店といった「2つののれん」が並存している。これらの今後の対応について、杉江社長は「街の特性などを踏まえ、どうしていくかをこれから考えていく。それぞれの店に愛着のある顧客が多いので、のれんを廃止することはない」と語る。
前言撤回したケースも
「大規模店の閉鎖はいったん終了」と何度も強調する杉江社長だが、これを言葉通り受け止める関係者は多くない。これまでも「店舗閉鎖は当面ない」、「構造改革の主なものは2017年度の段階で終えた」と公言してきたが、その後に伊勢丹相模原店などの3店舗閉鎖を決めたことは記憶に新しい。決算説明会でこの点を指摘された杉江社長は、「(働いている社員への影響が大きいので)店舗閉鎖はないと言っていたが、2017年4月からずっと検討してきた」と明かす。
家賃を下げる交渉やショッピングセンターとして展開した場合にテナントが埋まるかどうかなどを検討した結果、「今後10年存続させると相当な赤字が垂れ流しになる」(杉江社長)と、採算性を考慮したうえで撤退を決断したという。
となると、現在低迷するほかの地方店も状況次第では、また「前言撤回」となることも考えられる。ある業界関係者は、「基幹3店や名古屋三越など堅調な地方店を除いて、苦戦店舗が軒並み閉鎖される可能性もある」と指摘する。

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